2021年1月9日(土)/生やさしくない

石岡瑛子の展示を観るため、東京都現代美術館へ。一昨年のTABF以来だったので、木場駅からずいぶんと歩くことはうっすら覚えていたけど、それにしても「え、まだつかない?」と2回くらい思う距離だった。

 

前情報の限り、きっとパワフルな展示だろうと想像はしていたけれど、情報量の多さとそれぞれの展示物が発する圧の強さに、すっかりあてられた。視覚的に入ってくる情報だけではなく、会場のどこにいても、本人のインタビュー音声が流れているのも大きかった。

 

時代を変えるエネルギーをもつ人はきっと太陽みたいなもので、近寄ると焼き尽くされてしまう。会場の説明書きにも、彼女のアイディアやパワーに相対できるレベルの人間はそう多くなかったとあった。

 

彼女のように、規格外の人が切り開いた道は、間違いなくいまに通じている。その道をお前はこんな歩き方しかできないのか、と叱られているような気持ちにもなった。たぶん本人はそんなこと思ってないだろうけど。「後進のために頑張る」みたいな体育会ノリじゃないだろうから。

 

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2時間弱ほど石岡瑛子を浴びてヘロヘロになった私は、そのままでは木場駅まで歩ける気がしなかった。20分歩くだけの力を回復させたい。甘いものを食べよう。館内のカフェで、「甘そうだから」とソフトクリームを頼んだ。しかし、ソフトクリームは冷たい。あったかい飲み物なしで頼んだのバカか。行きの道で買った爽健美茶はとっくに冷えている。内臓が冷えてさらに衰弱したが、木場駅までの自販機であったかいミルクティーを買ってしのいだ。

 

帰りの電車で、展示されていた資生堂の「ホネケーキ」が気になり調べてみたら、今も売られていた。色付き半透明の物体に弱いのだ。「乾燥肌には合わない」とのレビューを見かけて、注文は思いとどまった。