2021年1月10日(日)/おなじ あなの むじな なのか

この2021年に池脇千鶴が主演?ということで、『その女、ジルバ』第一話をみた。数日前、番宣番組に出た彼女が「劣化した」と騒がれていたのも気になっていた。

 

主人公は化粧っ気なく、服装も地味な39歳、独身一人暮らしの女。20代の頃は、憧れていたアパレル企業に勤め、彼氏もいたが、歳をとってお払い箱にされ、今はその会社の工場に勤務している。

 

40歳の誕生日。昔の彼氏だった男が課長として工場に着任し、左手の薬指には結婚指輪が光っている。それなのに「また会えるなんて運命」だなんてクソみたいなことを囁いてくる。若いバイトの男には、なんの遠慮もなく「おばさん」呼ばわりされる。

 

みじめな思いで帰路に着く途中、あるスナックを見つける。ドアには貼り紙がしてあり、「ホステス募集 40歳以上」と。ここで踏み出さなかったら、わたしはわたしを嫌いになる、と奮起して、ドアを開けるとそこには、60歳オーバーのホステスたちが、華やかな身なりで生き生きと踊る姿があって…。みたいな話。

 

そのスナックで主人公は、お姉さんたちにもお客さんたちにもピチピチ扱いされ、その“賞賛”に泣いて喜び、女としての自信を取り戻すんだけど、それでいいんだろうか。気持ちはわかる。しかしそもそも、女として生きることが、男側の都合に左右されすぎで腹が立つ。20代では見た目を買われてアパレルの前線に立ち、容姿が衰えたら裏方に“降格”させられる。

 

若さは相対的なものだから、年上の人たちから見たらそりゃ“若い”わけだけど、そういう他者評価"だけ"、とまではいかないが、大きな比重でもって自分を立たせることには、なんとも言えない気持ちにもなる。

 

でもわからない。今後の展開で、違う地平を見せてくれるのかもしれない。とりあえず、第二話は観よう。わたし自身も今、40を前に、20代、特に働き始めてからの自分の歩みを振り返っている。

 

昨日は、60年前も前に「男と同じ仕事と待遇」と主張した石岡瑛子の功績に当てられたが、今日は今日で、結局男女の固定された役割はいまもあまり変わっていないんじゃないかと思わされて、暗くなった。