2020年11月3日(火)/距離感の選択肢

西武新宿線に乗って、友人の作業場へ。

 

動画撮影の手伝いをした。うまくできたら公開するつもりだったけど、たぶんこれは公開しない方のやつ。動画なめてた。勘所がわからなさすぎる。自分でやってみないと何事もわからないものですねと、ひとつ謙虚になりました。遊び気分で来てすいませんした。

 

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そのあと一緒に珈琲西武へ。珈琲西武は私も好きだけど、友人の目には他のカフェや喫茶店やファミレスがうつっていないんじゃないかというくらい、珈琲西武一択感がある。理由を聞いたら、店員の接客のそっけなさ、距離感がいいらしい。確かにそっけないよね。

  

個人でやってる雰囲気の良い小さなカフェを好積極的に選んでいたころもあったけど、そういうお店は長居しにくい。店内での振る舞いも規定されている気がして、なんとなく不自由さがある。それが変な客やうるさい客を遠ざけ、快適さにつながっているのだとは思うけど。

 

東京に出たての20代の時なんかは、素敵なお店に通うこと自体に意味を感じていた。しかし時は過ぎ、気づけばどんどん実用寄りになって、とはいえただのチェーン店ばかりでは味気ない。だから珈琲西武とかベルクみたいに、チェーン店ではないけれど、適度に雑多で居心地が悪くない場所は貴重。

 

本屋さんも同じで、小さな独立系が好きだけど、何か買わないと申し訳ない気持ちになって、時には焦ってさして欲しくもないものを買っちゃったりもするから、案外気軽には立ち寄れない。本屋さんの店主とおしゃべりしたい時もあれば、広めのチェーン書店で誰ともしゃべらずただぶらつきたい時もある。

 

そう考えると、自分の気分にあったお店をその時々選べる、選択肢の広さは東京の良さだ。中野だけで考えても、本屋であれカフェであれ、大きなチェーンも個人店もある。自分を認識してほしい時としてほしくない時を分けて生活できるのはとても快適。札幌出身というと、「都会ですね」と返されるけど、やっぱりこの辺の選択肢は、東京とは比べ物にならない。

 

雑多で適度にそっけない珈琲西武で、頼んだピラフと紅茶がとうになくなり、小さなコップに入った水を何度もおかわりしてもらいながらああでもないこうでもないとしゃべり続け、「そろそろ次の注文を……」と店員に促されたのをしおに帰りますかと。

 

お会計の時に5枚くじをもらって、開けてみたら1100円分当たっていた。ラッキ〜。また今度珈琲西武で使いましょう〜と手をふりあって解散した。