2020年11月11日(水)/絵にならないから歌うしかない

アマプラで『鬼滅の刃』を観始めた。映像が綺麗で、テンポがよく、セリフでの説明が丁寧でわかりやすいから、アニメを見慣れてなくても観やすい。

 

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こまばアゴラ劇場で、小松台東『シャンドレ』。宮崎が舞台で、全編宮崎弁。「シャンドレ」というスナックに通う中年男性たちの話。

 

地方都市の閉塞感みたいなものがジリジリと伝わってきて、何よりもまず「こういう世界に生きていなくてよかった」と思ってしまった。物語の端々から、男性それぞれが抱える事情が見えてくる。彼らの会話から見え隠れする女性たちの姿もまた、あまり幸せそうではない。しかもその「不幸」が、絵に描いたような「悲劇」というわけでもなく(最後はちょっとその気配があるけど)、普段は見過ごされるうっすらとした具合の「不幸」なので、その辺がジリジリ来る原因なんだろう。

 

コンビニのイートインで輩がグレーのスウェット履いてモンスターエナジー飲んでたり、現場上がりの営業部長がとってつけたような茶髪をしていたりと、服装や小道具がまた絶妙な嫌さ加減。観終わってから役者さんのことを調べてみたら、輩も部長も、普段は可愛い色のカーディガンとか着てそうな雰囲気の人たちで、安心したというかなんというか。人のイメージが、いかに服装や髪型で決まっているかということを実感する。

 

スナックのシーンで、男のうちの一人が、なぜ他のスナックではなく、このスナックに通い詰めるのか聞かれて「他のスナックで、関係性をまた一から構築しないといけないのが面倒」だと答える。それに対して「ここでは関係性ができてると思ってるのかもしれないけど、それはお前の方だけかもしれないよ」と指摘される。 こちらまでぎくりとする場面だった。

 

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晴れていて気持ちがいい。それなのに、劇場を離れて仕事をしようと思って入ったカフェで席に着いた途端、みるみるうちに体が重くなって来る。やろうと思っていたことが全然進まない。体が動かない夢ばかり見るのは、やっぱり実際に体が動いていないからなのかも。些細なことも気になるし、自分にとって些細じゃないこともいつも以上に嫌な響き方をする。通販で買った安いスカートからは嫌なにおいがする。GOTOアパホテルして、おっきいお風呂とパリッとしたシーツで体を解放させたい気がしてきた。