2020年12月5日(土)/安全も安心もないが、ワクワクがあった街

劇団子供鉅人の『ギャラクシー銀座』を観に、下北沢の駅前劇場へ。初子供鉅人。原作の『ギャラクシー銀座』は読んでいて、当時読み終わってからしばらく呆然となった。意味がぜんぜんわからないのになぜかおもしろくて、もう一回読みたいかと言われたら読みたくない。しかしかなり衝撃的で、しばらくはこの漫画の話ばかりしていた気がする。

 

というわけで、一応前日に1巻目だけ読み返して臨んだら、思っていた以上に原作に忠実でびっくりした。あの漫画を、原作に忠実って……! 主宰の弟である益山寛司さんが竹之進に似てることが今回の舞台化のきっかけだったそうだけど、ほんとそのものでびびった。帰りに「あの人かっこいいね」と一緒に観に行った友だちにそわそわ伝えたら、「星野源K-POPアイドルを足したような」と言っていて、確かに! そこにハライチ岩井さんも足したい。 

 

竹之進だけじゃなく、マミーも美美も、ニューファラオも、全部ちゃんと再現されていた。小劇場の舞台で前売り4500円はやや高いけど、これだけやってたらそうだよなぁと納得。今回は特別劇場の子供鉅人だったので、通常版も観てみたい。来年15周年公演があるそう。

 

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店番。時短営業中は22時に店を閉めないといけないので、土曜はオープンを1時間前倒しで18時にしてみているが、先週に引き続きその時間は誰も来なかった。来週からは通常通り19時からにしよう。

 

誰もいないお店で、手塚マキさんの『新宿・歌舞伎町』を読んだ。今年の自粛期間中に、ホストクラブと区長とのあいだにどんなやりとりがなされたかに始まって、歌舞伎町に流れ着いた人たちのことや、この街の歴史が書かれている。ゴールデン街で勤め始めたのだから、もう少しこの街の歴史を知りたいと思いながらもサボっていて知らないままだった、歌舞伎町の起源の話がとてもおもしろい。闇市とか青線だとかの単語レベルでしか知らなかったことが、少しずつ立体的になる。なんでこの界隈に惹かれるのか、その理由につながっている。

 

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店を閉めるとき、なんとなく胸に嫌な感じが残っていた。なんだっけと思い返したら、左手に飲みかけのストロングゼロを握った、酩酊状態の若い女性が店に闖入してきたのが、嫌な気分の引き金だった。結局、連れの男性が回収してくれたのだけど、なんか疲れた。その女性の辛さを少し引き取ってしまった気分。

 

嫌な気分を振り払いたくて、誰かにケアされたくてどこかに寄ろうかとも思ったけど、こういうときにお酒を飲んでしまうと、だいたいの場合はネガティブな気持ちが増幅されてしまう。と思いながらも、未練がましくお店を探してとうろついてみたら、すっごく下品に唾を吐く男の人を見かけてしまって、今日はもうおうちに引っ込むのが得策な気がして、結局真っ直ぐ帰った。筋トレして寝た。