2020年11月1日(日)/たくさんの水と、たくさんの果物

昼過ぎに映画の日だと気づいたけど断念。U-NEXTのポイントを新宿ピカデリーの映画チケットに交換していて、その期限が昨日までだったけどそれも使えなかった。交換した時点では楽勝で行けると思ってたのに。

 

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Twitterで見て気になった、『プロフェッショナル』田中みな実回をNHKオンデマンドで。

 

星野源とか田中みな実とか、ワーカホリックっぽい芸能人を見ると、好き嫌い以前に、なにか怖いと思ってしまう。実際はどうだか知らないけど、仕事への打ち込み方が何かへの復讐みたいに見える。

 

「いつも振られてばっかり」と笑う箇所が冒頭にあって、なんかそれが妙に象徴的に思えてしまった。徹底して「自分」を排除して、他人の求めることに全力で応えることができる人だからこそ、ここまで上り詰めることができたんだろうなと思う。そのやり方を恋愛にも適用させたら、確かになかなかしんどいことになりそうだなとか。

 

ananの美乳特集の表紙でブレイクしたときに、「自分が求める自分像みたいなものから脱却できたときになんかすごい自由になったなって」と思ったそうだが、その後、「求められることってすごく怖くないですか?」「求められなくなった時に、私の何がいけなかったんだろうって思い始めちゃう」とこぼす。密着取材中にも、「飽きてないですか?」と何度も問いかける。

 

仕事というのは誰かの期待に応えるためにやるものではあるけれど、自分が嫌なことをし続けるとバランスを崩す。田中みな実が、どうやって「自分自身」とのバランスをとっているのか全然見えなくてなおさら怖かった。彼女は自分の好きな食べ物すらわからないと言う。

 

フロスをする姿まで撮らせていて、なんでも開けっ広げに見せているようにも思えたけど、「常に仕事を取り上げられてもちゃんと自分というものが存在しているなって思える生き方をしていると思う」と語っていたので、この取材の裏の裏では、ちゃんと自分自身を守る術を持っているんだと思いたい。この人の生い立ちとかかなり気になる。

 

番組の最後の方には、求められる仕事の空虚さを嘆き、所属事務所を変えることに。「使い捨て」されない自分を再構築しようとするところで終わる。「自分」らしきものが見えて、少しだけ安心する。

 

番組中で、芸能界の第一線で活躍することを「終わりのない綱渡り」と表現していたけど、ブームの渦中にいる人の大きな不安を垣間見る、すごい番組だった。

 

あとめっちゃ浅はかだけど、彼女を見習ってたくさんの水を飲み、たくさんの果物を食べようと思った。