2020年11月19日(木)/たまのごほうび

作業場の店番中、外から怒鳴り声がした。窓から覗いてみると、車椅子の男性がトラックから降りてきた引越し業者に何かを叫び続けていた。しばらくして怒鳴り声は消えた。

 

ずっと昔、まだ札幌にいるころ、車椅子の男性がスロープを前に困っているようだったので、友だちと一緒に手伝おうとしたことがある。子どもなりに精一杯の善意だったつもりが、何かが間違って伝わってしまったのか、「バカにしてるのか」とものすごい剣幕で怒鳴られた。家に帰ってわんわん泣いた。

 

それから、車椅子に乗る人に声をかけたことがない。その代わり、駅で酔ってぐちゃぐちゃになっている女性には声をかけたりお水を渡したりしたことがある。自分の身に覚えのある傷つきにしか手を伸ばせないのかもしれない。それがいいのかどうかはわからない。

 

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バー店番。自分が先日書いた記事を読んだのをきっかけに、お店まで足を運んでくれた方が。痺れるほどうれしかった。

 

言うまでもないけど、誰かに話を聞いたり、作品を読んだり観たりして書く記事は、届けるべき方々に読んでもらって、話を聞かせてくれた方や作り手、媒体の利になるのが何よりの目的である。なので当然自分は裏方であるのだけれど、それでも書いた記事がきっかけで自分のところへ足を運んでくれるなんて、正直言ってここ最近の出来事のなかでもいちばんうれしいくらいだった。ネット上の反応とは比べものにならない。

 

その方自身も興味深い職業に就いておられ、お話聞けて楽しかったし、なんとおなじ空気階段の踊り場リスナーということで、「かたまり顔新規」とか「インパクト」とかの踊り場ワードを実際に口に出すことができて、免疫力が上がった気がします。ご来店ありがとうございました。

 

そのあと、GOTOの達人がまた来てくれたので、アパに泊まった報告をした。「悪くはなかったんですけど、あれがもともと18,000円なのか〜とは思ったんですよね」と話したら、そもそもアパは正規料金が変動しまくるらしく、GOTOで国から多くお金をもらうために見かけ上の正規料金をあげているだけで、実際は5,000円くらいのもんじゃない?という返答だった。なるほど〜。それならこっちのほうがいいよ、と3,000円以下でラグジュアリー体験ができるホテルをいくつか教えてもらった。終わる前に行けるといいな。